つみつみ積み木
端材と子供の発想力から偶然生まれた「つみつみ積み木」
木工をしていると悩まされることの一つが、制作中にでる”端材”をどうするかということです。デザインを形にするために切断した残りの木、端材と呼ぶには勿体無い、作品と同じ木です。
例えるならば、ニンジンの真ん中の芯の部分だけを使用して、美味しくいただくことができるはずのその他の部分は破棄しているような気持ちです。
積み木を作ってみたら
そんな素材をなんとか生かしたいという気持ちで、四角く収まるサイズでちいさな積み木を作ってみました。その時期に偶然いとこの子供兄弟と会うことがあったので、積み木を持って行って遊んでもらいました。
二人は、はじめはパズルのように並べることを楽しんでいましたが、ある時、立体的にパズルの形を再現し、そうして出来上がった形からピースを抜いていくという遊びをはじめました。
積み木からゲームへ
ただのパズルのように切って並べた木片ですが、子供の発想力をヒントとして、ゲームとして楽しめないかと思いました。
その後、配置やピースの数、仕上がり具合を調整し、出来上がったものをスタッフとの打ち上げの際に遊んでみました。木片をツンツンして抜く様子はまさにハラハラドキドキ。大人たちが積み木を囲んでかなり盛り上がりました。
抜く時に使っていい指の数や抜いたピースをの置き方など、ゲームのルールを少しずつ変えながら何度も繰り返し楽しみました。
「つみつみ積み木」であるための工夫
検証の末、サイズを精密に作ってしまうと抜き出しにくいということがわかりました。
微妙に異なるサイズで制作した最初のパズルは、縦に積んだ時にランダムに隙間ができていました。それがむしろピースを抜く時にちょうど良い偶然の要素をつくっていたのです。
また、仕上がりは切りっぱなしの状態ではなく、一つ一つのピースを磨いて仕上げてあるほうが滑りがよく抜き出しやすいことにも気がつきました。
余りを出さない=ゴミを減らす
様々な木が混じり合っている方が並べた時の雰囲気も良く、また、仕上がりの精度が少し出ていないこともゲームを楽しむ要素になります。これらは端材であることの強みだとも思います。
端材であったはずの木が、皆で楽しく囲えるゲームとして命を吹き込まれると素敵と思います。
ゲームとしても、積み木としても遊べます。
枯白の作品の中でも実験的な要素から制作したアイテムとして「枯白実験室」のマーク、
端材の有効活用としての作品として「Sustainableマーク」が刻印してあります。
「つみつみ積み木」の今後
・偶然のきっかけでできたこのゲームを、多くの方に楽しんでいただきたい。
・木材を扱われている方の端材の有効活用のきっかけになれば。
・DIYやものづくりを楽しむきっかけになれば。
という理由で、
どなたでも制作ができるように、図面を公開いたします。
どなたでも自由にこのゲームを制作していただけます。
*つみつみ積み木を作る際のお約束事
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端材で制作してください
端材の破棄をなくし、森林を保全する取り組みとして制作していければと考えています。
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商用を伴う場合、寄付にご協力ください
売上の一部(10%以上)を森林保全活動に寄付していただきますようお願いいたします。
(個人での制作や、商用を伴わない利用の場合は、ご自由にご使用いただけます。)
(枯白のつみつみ積み木ワークショップキットの売上の一部は森林保全活動(フェアウッド)に寄付されます。)
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#つみつみ積み木
制作された場合、SNSでハッシュタグ #つみつみ積み木 をつけていただくようお願いいたします。
⚪︎基本ルール
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どのようにすれば抜きやすいかを想像しながらピースの配置を考え並べます。
*フレームの板の裏面の上に並べます。
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フレームの板を使って、ゆっくりとパズルを垂直に立てます。
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参加者が順番に1ピースずつ抜いていきます。
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抜いたピースを上に重ねて置きます。
*置く場所は、一列が揃ったら次の列へ置くことができます。
*置き方は、タテで置いても横で置いても構いません。
*この時に抜きやすさを考慮しながらおくのもポイントです。
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1〜4を順番に繰り返します。
*元々のフレームの中のピースを抜くことができなくったら、上に置いたピースを抜くことができます。
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ゲームの終わり
途中、崩してしまった人がいればその参加者の負けが決まります。
どうしても抜くことができないところまで綺麗に積むことができれば、全員の勝利になります。
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初級編として
・抜いたピースは重ねないという方法を楽しんでもいいと思います。
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上級編として
・片手の2本の指しか使用してはいけない。
・他のピースは触ってはいけない。
その他、ルールは自由に変更、修正してお楽しみください。
ピースの並べ方によって抜き出しやすさが変わることも楽しみの一つ。
想像力を働かせながら配置を考えてみてください。