


HISTORY
2009年、兵庫県姫路市で枯白(こく)は生まれました。
乾 喬彰・直実の二人が海の近くの工場の片隅に
小さな工房をつくり、ハンガーや燭台など、
木と金属を使用した家具や小物をつくりはじめました。

最初の工房は、小さな倉庫の片隅を間借りした6畳ほどのスペースで
ハンガーや切り絵の灯籠、小家具などを制作していました。(2009)
枯白の読み方は、「こく」
「枯白」という名前には、“作品が経年の中で使う人のものとしてあじわい深く枯れ、より白い表情になれば”という想いが込められています。
枯白という言葉は辞書にはありません。
はじめて参加させていただいた地元のクラフトフェアに出展の際に、工房名が必要ということで名付けに悩んだことを覚えています。
工房名はずっと付き合っていくもの。そうであれば自分たちの軸になる言葉がいい。
ものが風化する様や、使い込まれて味わいが増す様、そうした物と人との間にある目に見えない距離を「枯」、
雪のように全てを包み込むまっさらな色、空っぽの器のような、既成概念にとらわれない新しい感覚で素材や形をとらえたい。そんな思いも込めて「白」、
こうして、好きな文字を組み合わせ「枯白 KOKU」はうまれました。
*芭蕉の句に「石山の石より白し秋の風」とあるように、白の中にも白がある、白という概念は不思議で奥深い。ちょうどその頃に読んだ、原研哉さんの著書「白」にも影響を受けています。





1度目の工房移転、Charler's House 跡での工房展「枯白の家具と小物展」(2010)



2度目の工房移転、
現在の工房で「枯白の家具と小物展 Vol.2」(2012) ではマッチ展も開催
工房展は2016年以来開催できていませんが、またいつか開催できればと考えています。
また、各地のクラフトフェアへの出店や展示会では、今につながる大切なご縁をいただきました。
現在は年に1〜2回、各地で個展を開催しています。
その時、その場所での空間と作品、出会いをお楽しみいただけましたら幸いです。

枯白×工場跡 Vol.2 (2012)
奈良 kojoato

枯白的白 (2017)
岡山 921gallery

枯白展 (2019)
東京 soranji





工房展示室でじっと佇んでいる家具たち
展示会で様々な場所へ行くとなんだか少し嬉しそうに
しているように見えることがあります
そんな子たちに外の空気を吸わせてあげよう
車に乗せて連れ出し、素材の元々の故郷である自然の中に立たせると
やっぱり嬉しそう
家具は置く場所によって見え方が大きく変わります
お部屋の空間、背景、光の入り方など、家具とその背景について
少しだけ考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです
また、暮らしの相棒として、枯白の家具を
いつかもしこのようにあなたの旅に連れ出していただけたなら
きっと家具も喜んでいることと思います